データ処理はExcelではなくRで行うことも考えましょう
多くの企業ではExcelでデータを貯め込み、一所懸命に「vlookup」だ「ピボットテーブル」だ「auto filter」だと頑張っていると思います。しかし、当社では、 Access MDB、Excel xls/xlsx、CSV、TSV、固定長テキスト、AS400 DB2、Oracle など多数のデータベースが存在します。私からの引き継ぎとしては、Accessでの分析法、Excelでの分析法などと個別の操作方法やVBAの文法を覚えるのではなく、いろいろなデータベースをデータの取得先とはするものの、処理はR言語で行うことを推奨します。
なぜ統計処理言語?
R言語は統計処理用のフリー言語です。監査では基本的に「統計学」的な分析はあまり必要ありませんから、なぜR言語なのかという意見もありそうです。
R言語は、
1. データを整理・処理し
2. データを解析・検定し
3. 結果をまとめる
機能を持っています。当社の業務では、1. のデータを整理する機能を活用するだけでも大幅に業務効率がアップします。
Excel のデータだからExcelでVlookupを使い、AccessのデータだからAccessのリレーションを使い、…とするよりも、データの出処を問わず、Rに取り込んでしまい、計算はRで行うことにすれば、例えばExcelの関数を全く知らなくても対処できます。
R言語はデータベースからのデータ抽出がとても柔軟にできるためDDL監査(DataDownLoad監査)には最適です。何十万件もの仕入とお取引先様の請求をぶつけて検証するなどといったこともパソコンでできてしまいます。ODBC経由でMDB、Excel、CSV、SPSSやSASデータ、DB2など様々なデータベースにアクセスできますから、監査先のデータ形式を気にすることなく検証できます。監査以外の業務にも役立つシーンがあると思います。
インストール
インストールは簡単です
当社の環境はWindowsなのでWindows用をインストールします。インストールはとても簡単。特に注意事項はありません。しいて言えば、Excelが32bitなら32bitを選ぶこと(64bitなら両方をインストール)するくらいです。
R ProjectのCRANミラー(https://cran.r-project.org/mirrors.html)から適当にミラーサイト(例.
https://cran.ism.ac.jp/)を選んで最新版をダウンロードして下さい。
インストールが終われば、デスクトップにできているはずのRアイコンのクリックで使用可能です。
普通に作業する分にはこのままで問題ありません。
画面設定をしましょう
当社は監査作業手順を画面コピーにとり監査法人にログとして提出することもあるので、その際に見やすくなるように画面設定を変更します。ここで見やすくしておけば画像に後からいちいちコメントしなくても、画像を見ればわかるようになって簡単です。
RGuiの編集>GUIプリファレンスと進みます。
- SDIを選びます
- フォント
上の画像は設定変更前ですが、数字がずれないように MSゴシックなどの等幅フォントを選びます。これは誤解を防ぐために重要なポイントと思われます。 - 色
監査手続ログとして画面コピーを提出するだけで良いようにします。
設定対象 | 意味 | 推奨色 | 備考 |
---|---|---|---|
background | 背景色 | White | 黒だと印刷時つぶれる |
normaltext | Rの実行結果色 | Red | 結果を目立たせる |
usertext | Rのコード色 | NavyBlue | |
highlight | 反転色 | NavyBlue | 作業内容の説明等 |
こういう制約のない方は自由にカラーリングすれば良いと思います。
