一所懸命に手抜きする

デスクワークばかりのスポーツ嫌いで50歳も過ぎ、いよいよ足腰に衰えを感じつつある昨今。

富山県のブランド牛「氷見牛」に産地偽装疑惑って・・・去年食べました・・・美味しかったです

 本投稿は2017年に行われたもので、古い内容です。

下段の記事についての続報…偽装は確認できなかった

 2017.7.18に食品表示法第8条に基づき富山県による立入検査が行われました。保管方法に問題があり、その結果「指導」が行われたようです。ただし、偽装は確認できなかったとのことでした。少し安心です。
偽装、確認されず 県と北陸農政局 /富山 | 毎日新聞  長いですが、下記記事で県知事さんが説明されています。
www.pref.toyama.jp

「氷見牛」が・・・

 出張から戻り留守中のニュースをチェックすると富山県氷見市のブランド牛「氷見牛」に産地偽装疑惑があるとか・・・。
 去年、氷見牛コロッケとすき焼き肉を食べたのでした・・・。
 普段高い肉を食べ慣れないのでブランドの違いはわからないのですが、すき焼き肉は美味しかったです。私は、味の違いがあまりわからない味覚音痴ですが。

昔の話ですが

ギャル曽根絶賛「氷見牛カレー」 「実はちょっと困っている」 : J-CASTトレンド (2008/5/26)
 富山県氷見市の名物、氷見牛(ひみうし)を使用したレトルトカレー「氷見牛カレー」が人気だ。2008年5月16日夜に放送されたTBS系の情報番組「ランキンの楽園」でギャル曽根さんが、全国47都道府県のご当地レトルトカレーの中で「一番」に選んだことがきっかけ。
 (中略)もともと地元氷見を盛り上げようという目的で作ったレトルトカレーだったが、氷見牛の生産業者は12人、牛は2000頭しかいないので、需要と供給のバランスが崩れているのだ。1頭の牛からは2000食しか作れない。いまは、品薄状態の「氷見牛」を探し回っている状態という。

 「ひみうし」なんですか。「ひみぎゅう」だと思ってました。
 上の記事は2008年と古い記事ですが、

現在も飼育農家は13軒だとか

 氷見市内の肉用牛の生産者は13軒で、2015年度の飼育数は824頭。生産者が減り、飼育される氷見牛の数も減る傾向が続いています。http://t.knb.ne.jp/news/detail/?sid=14031 (2017/02/23)

今回報道

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017022202100011.html (2017年2月22日)
 富山県氷見市のブランド牛肉「氷見牛」の販売最大手「有限会社細川」がほかの国産牛肉を氷見牛として販売していた疑いがあることが分かった。本紙が氷見牛と表示された牛肉を購入し、民間の産地判別分析機関に鑑定を依頼したところ、七品のうち五品が氷見牛でないと判定された。細川好昭社長(44)は「間違って切った可能性がある」と話した。

同記事によると発覚の経緯は?

 氷見牛は二〇一五年度に三百六十八頭が出荷されたが、有限会社細川は、氷見牛を年間五十頭ほどを仕入れている。昨年十二月は、氷見牛五頭と北海道や岡山、秋田、宮城産などの国産牛計五百キロほどを仕入れた。氷見牛は一頭当たり二百~三百キロの肉が取れる。
 氷見牛は農家の生産量に比べ販売量が多いとの声が業界内であり、本紙は小売り最大手の細川の販売品を鑑定依頼した。 (同記事:北陸中日新聞 CHUNICHI Web 2017年2月22日)

 なるほど「農家の生産量に比べ販売量が多い」とは合理的な疑問ですね。
 最初に掲出したJ-CASTの記事は古いとはいえ、その後も生産体制はそう大きくは変わっていないようですから、需要と供給のバランスが崩れているという状況は続いているのかもしれません。

同記事によると調査法は?

 鑑定は、「同位体研究所」(横浜市)が、肉に含まれる酸素と水素などの元素質量の違いから産地を判別する「安定同位体比分析法」で調べた。
 (中略)  安定同位体比分析法は、水素や酸素など同じ元素でありながら、わずかに重さが違う安定同位体の構成比で産地を調べる。食物連鎖、水の同位体から気候変動を調べる研究に使われていたが、食品偽装が相次いだ二〇〇〇年以降、食品に応用されるようになった。 (同記事:北陸中日新聞 CHUNICHI Web 2017年2月22日)

続報記事によると返礼品にも

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017022402100024.html (2017年2月24日)
 富山県氷見市のブランド牛肉「氷見牛」の販売大手「有限会社細川」(氷見市本町)がほかの国産牛肉を氷見牛として販売した疑いが持たれている問題で、氷見市は二十二日、ふるさと納税の寄付者への返礼品にしていた同社の九品の取り扱いを中止した。ふるさと納税を紹介するウェブサイトからリストを削除した。(高島碧)
 (中略)  昨年四月から十二月までに氷見牛を選んだ三百八十三件のうち、七割に当たる二百七十七件が同社の商品だった。

同記事によると寄付者への対応は?

市が返礼品の発送と管理を委託する業者(東京都)は、二〇一六年度に同社の商品を受け取った寄付者二百七十七人に商品に疑惑の報道があったことや、調査中であることを知らせるメールを一斉送信。また、同社の商品を注文しながらまだ発送されていない寄付者二十四人には、個体識別番号を付けた別業者の商品を送ることをメールで知らせた。今後、氷見牛の返礼品は全て別業者が用意する。 (同記事:北陸中日新聞 CHUNICHI Web 2017年2月24日)

 東京の業者さんがふるさと納税の返礼品を管理していたのですね。今回の対応は素早かったように思います。

同記事によると小売対応は?

 同社の商品を扱っていたインターネット通販サイトも二十二日、商品の取り扱いを中止した。
 同社が運営する焼き肉店「牛屋」(同市朝日丘)など全三店舗はしばらく休業する。 (同記事:北陸中日新聞 CHUNICHI Web 2017年2月24日)

続々報記事によると卸価格は・・・

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017022402100024.html (2017年2月25日)
 富山県氷見市のブランド牛肉「氷見牛」を扱う精肉販売業者が県外の国産牛肉を氷見牛として販売した疑いが発覚してから初めての競りが二十四日、同県射水市新堀の富山食肉総合センターであった。生産者たちは価格の下落を心配していたが、氷見牛の枝肉価格は通常と変わらなかった。(高島碧)  氷見牛の枝肉の落札価格は通常、最高ランクのA5で一キロあたりの平均で二千六百~二千七百円、A4で二千百~二千三百円。この日は八頭が出品され、平均的な価格に収まった。すべてA5かA4で最高値は一キロ三千二十六円だった。

 今回の案件は消費者としては困った疑惑ですが農家の皆さんには責任はないはず。頑張ってください。

2.28記事によると

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017022802100013.html (2017年2月28日)
 富山県氷見市のブランド牛肉「氷見牛」を扱う精肉販売大手「有限会社細川」(同市)が、県外の国産牛肉を氷見牛として販売した疑いのある問題で、同市教委は二十七日、学校給食への同社の納入をしばらく見合わせることを決めた。 対象となるのは、市内の全ての小学校十二校と中学校六校の給食。 市教委の担当者は「まだ調査の途中だが、子どもや保護者の不安を考えて取引の見合わせを決めた」と話した。 小中学校十校の調理を手掛ける市学校給食センターは二〇一六年度、同社から氷見牛のコロッケを二回、牛肉を一回仕入れた。このほか、センターや単独調理校は同社から県産牛や国産牛も仕入れていた。 市教委は市内の精肉店でつくる市学校給食食肉納入組合と協議して納入見合わせを決定。同社の細川好昭社長(44)は同組合の代表だった。 (高島碧)

 この件とは直接関係ないですが、氷見牛と言い出すよりずっと前に食べたコロッケが美味しかったなあ。今回の牛屋さんとは別の店のことですが。

早く落ち着くと良いですね

 今回の案件は2017.3.1時点で、まだ偽装かどうか発表されていません。社長さん曰く「間違えて切った可能性がある」とのことです。
 それにしても、すき焼肉は美味しかったです。

ちょっと疑問が

J-CASTの2008年の記事で「氷見牛の生産業者は12人、牛は2000頭」
今回のKNBの記事で「生産者は13軒で、2015年度の飼育数は824頭、飼育される氷見牛の数も減る傾向」とあります。
氷見牛ブランドはこの10数年で大々的に広められたと思いますが、数はむしろ半減ですか。本当でしょうか。

平成22年度 マスターセンター補助事業氷見市に学ぶ地域産業振興策 地域産業振興策報告書
氷見牛ブランドは、氷見市畜産組合肉牛部会として取り組んでいます。現在、組合員は13名で、 約900頭を飼育しています。内訳は、和牛 約600頭、ホルスタイン 約100頭、F1 約200頭です。 氷見牛のブランド化は、自分たちが肥育している牛の肉の知名度を上げようということで、平成7年(1995年)に始められました。当時氷見市内の組合員は17名で、約1,400頭飼育しており、 和牛 約300頭、ホルスタイン 約1,100頭でした。

とやまの畜産2012によると2010年の氷見市の肉用牛飼育数は995頭
とやまの畜産2015 によると2015年の氷見市の肉用牛飼育数は874頭。
まとめると、
1995 17名、約1400頭
 内、和牛 約300頭
2010 13名、約1000頭
 内、和牛 約600、f1約200頭
2015 13軒、「肉用牛」874頭

 たしかに全体の飼育頭数は減っているようです。ただ、ホルスタインから和牛にシフトして高単価な氷見牛は増えているのかもしれません。 J-CASTの2000頭というのはわかりませんでした。氷見牛という記事には約2000頭とは書いてありますが。